アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
小橋の後をついて、建物の外に出ると、辺りはもう明るくなっていた。
朝日に照らされた私の体はボロボロ。
その姿を見ると、今日起こったことは現実なんだと実感させられる。
小橋と2人で歩道に突っ立っていると、前に白のセダンがとまった。
「伸也さん、お願いします」と小橋は挨拶をして乗り込んでいく。
私も小橋の後に続いた。
「家は?」
「俺の実家のほうでお願いします」
「了解」
「亜美ちゃん、近くなったら言ってね。俺もさすがに亜美ちゃん家まではわからないから」
「うん」
「それと、番号教えて。携帯持ってるよね」
「う、うん。使い方わかんないけど」
「貸して」
パパとママが離婚した日、ママの恋人が私に買い与えてくれた。
ピンク色の携帯。