アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
アイシテル 5
赤い線
学校ではカズやこたぁと過ごし、送り迎えは祐がしてくれる。
週に一度はカズと遊び、毎日をただ何も考えずに過ごしていた。
そうしているうちに、夏休みが近づいていた。
期末テストは、こんな学校だから満点が取れそうなくらい簡単そうだし、一人の時間を持て余していたせいで、夜になると机に向かい教科書を開いていたから、テスト勉強は完璧だった。
「カズ、やばいよぉ〜留年したらどうしよう〜」
「俺も泣きそうだし」
猛とカズがテスト前になるとお決まりの会話をしている。
「教えようか?」
「いいの?」
カズと猛の声が揃う。
「自分のは終わったし、いいけど」
「やっぱり亜美だよな〜どっかの誰かさんとは違う」
「ホントにねぇ。誰かは怒るばっかりで教えてくれないもんね」