アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女


「誰と誰が違うって?」



カズと猛がこたぁの悪口を言っていたら、いつの間にかこたぁがカズの背後に近づいていた。



「こたぁ〜なんでもないよ。こっちの話」



嘘をつくのが苦手なカズ。



顔が引きつってる。



その横で「地獄耳め」と囁いた猛が、こたぁの肩に手を回した。



「こたぁ、今日の放課後、カズと猛借りていい?」



「なした?」



「テスト勉強する」



「なら俺も行く」



「こたぁは忙しいんじゃないの?」



「あっ?」



咄嗟にカズが話に割り込んできた。



「イ、ヤ。その……忙しいかなと」



「忙しくねーよ」



「じゃあウチでやろう」



「わかった。祐も来いよ?こいつもヤバイから」



「祐君もお馬鹿なの?仲間だ!ワーイ」



カズと猛が祐の側に近寄り、寝ている祐を起こした。

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