アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
そして、ある日、捨てたはずのカミソリが部屋の中にある。
慌てて左の袖をまくると、赤い線が……
どうして?
どうして、私はこんなことくらい我慢できないの?
これじゃあダメだ。
私は左手首から肩まで、テーピングを巻いた。
カミソリで切れないように。
グルグル巻きにした。
それでも、たまについている赤い線。
カミソリを握るもう一人の私と戦う日々は、生きている心地なんてしなかった。
もう、苦しくて……
辛くて……
楽になりたかった。