アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
到着したのは、伸也さんのマンション。
「亜美、行こう」
祐が気を使って話しかけてくれるけど、私の目には伸也さんしか映っていない。
みんなが無言のまま溜まり場へと着いた。
「亜美……」
溜まり場には沢山の人が出入りしていて、その中に目を腫らしたカズがいた。
「カズ。どうしたの?」
「……」
カズは下を向いたまま何も言わない。
「俺が話す」
大好きな声が私の耳に響いた。
振り返ると、あの頃と変わらない伸也さんの優しい微笑み。