アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女


ベッドの中でゴロゴロしてると、ママが部屋に入ってきた。



「亜美、起きなさい」



時間になっても起きないときは、昔からこうして起こしてくれる。



昔と今じゃ、ママは変わってしまったけれど、この習慣は変わらないらしい。




「行かない」



「具合でも悪いの?」



「うん」



「そう、わかった」





それだけかよ。



色々と聞かれるよりいいけど、普通は……



昔のママなら、もっと色々なことを聞いていた。



変わってしまったママに腹を立てながら、目をつぶると男達が今も隣にいるような感覚に襲われる。



眠たいけど、眠れない。



学校にも恭がいるから行きたくない。



そして、水泳も行けるわけがない。

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