アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女


「あれからどうなったの?」



「全部終わった」



「すべてを聞きたい」



「あぁ。もう少し良くなったらだ。今日はとにかく休め」



「うん」



「心配しなくても、ここにいる」



「伸也さんごめんなさい。ありがとう」



「前にも言ったけど、もうこんなことしないでくれ。二度とこんな想いはしたくねぇ」



「はい」



「お前がいなくなったら、俺はどうすればいいんだよ」



伸也さんの悲しい声。



「ごめんね。でも、私も守りたかった。守られてばかりじゃなくて……何かしたかった」



「話は今度だ。寝ろ」



「うん」



私は伸也さんの温もりを感じながら眠りについた。


< 332 / 688 >

この作品をシェア

pagetop