アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
久しぶりの部屋は何故だか懐かしい。
懐かしがるくらい、ここに住んでいたわけでもないのに……
「何か飲むか?」
「いらない」
伸也さんは、缶コーヒーを持ちながら、ソファーに腰掛けた。
「何から話せばいいか……」
伸也さんは少し眉間にシワを寄せて黙り込んだ。
「この間の続きから聞きたい。私とママがあんな目にあった理由はわかった」
「桐藤は昔から薬の売人をしてた」
「うん」