アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女


こんな体じゃ水着になれない。


水着姿になることが怖い。


体の傷は消えたとしても、私の体を見たらレイプされたことに誰かが気づくかもしれない。




それだけは耐えられない。



もう私の体は昔と違う……いや、今日を境に変わってしまった。




泳いでいる間は雑音が一切聞こえない、そんな時間が好きだった。



水の音しか聞こえない世界の中で、私は自由だった。


パパに殴られても、嫌なことがあっても、スーっと水を切るあの感覚があったから、私は笑顔でいれたのに。



色んなことが変わっていく中で、私のたった一つの真実が……たった一つの拠り所までもが奪い去られた。



男達の手によって……




水泳はやめる。



そう決めた。
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