アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
正直、昨日の夜にいたのが祐でなくても、私は甘えていたと思う。
泣くことを我慢できなかったと思う。
昨日いたのが、猛でも、こたぁでも、カズでも、私は泣き崩れていたに違いない。
だから、祐だったから甘えたわけではない。
でも、そんなこと聞かれてもいないのに自分から言うことなんてできない。
「亜美、暇なら溜まり場行かないか?」
「うん。じゃあ、シャワー浴びてくる」
私は祐と2人きりの気まずい雰囲気に耐えられなくて、場所なんてどこでも良かった。
どこでもいいから誰かのいるところへ行きたかった。
なんて勝手なんだろう。
祐は私のことを想ってくれているのに……
私は祐のことを考えてあげられない。