アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女


自分の部屋からほとんど出ることがなく、眠ることもなく、2週間が過ぎた。



毎日、毎日体を擦るから、体の傷は未だに消えない。



今となっては痛みも感じない。



夜なのか朝なのかさえどうでもよくなりかけた頃、携帯が鳴った。




ディスプレイには“猛ちゃん”と表示されていた。




「はい」



「亜美ちゃん?」



「そうだけど」



「大丈夫?」



「うん」



「あれからずっと学校来てないから心配で」



「行きたくないだけ」



「そっか。今暇してる?」



「うん」



「迎えに行くから、おいでよ」



「やめとく」



「これは強制。じゃあ今から向かうから」



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