アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女


「うぃーっす」



溜まり場に入ると、こたぁとカズがいた。



「亜美、祐君と来たの?昨日、会いたかったのに」



「うん。ごめんね。色々あって」



「退院おめでとう」



「ありがとう」



カズはお菓子の袋を持っていなくて、少しホッとした。



「亜美、おめでとう」



こたぁが私の隣に腰掛けた。



「どーも」



「来ていきなりなんだけど……」



こたぁの顔つきが真剣になる。



「何?」



「亜美の住んでる所、引き払わなきゃならない」



「あーうん。そうだよね」



私の住んでいるマンションは境が用意してくれたもの。



だから、境が捕まった今、住んでいる訳にはいかない。


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