アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女


由梨絵の好きな人は伸也さん。



その頃の伸也さんは荒れていて、由梨絵は伸也さんのお遊びの一人だった。



それでもいいと笑う由梨絵をほっとけなくて、告白した。



でも、由梨絵には伸也さんしか見えていなかった。



そんなある日、伸也さんにすっぽかされた由梨絵は帰宅途中だった。



そこを襲われた。



そして、由梨絵は自殺した。



そのことが耐えられなくて、死を選んだ。



それから祐はずっと伸也さんを恨んでいた。



こたぁに近づき、私に近づき、伸也さんに復讐しようとしていた。



「祐……」



「でも、亜美に出会って俺は由梨絵といる気分を味わえた。だから、亜美を手放したくなかった。ごめん」



「私も祐の優しさに甘えて、祐を傷つけた」



「祐」



伸也さんの声に祐は体をビクンと強張らせる。



「悪かった。俺のせいで傷ついた奴は沢山いる。由梨絵もお前も俺が傷つけた」



「もういいっす。伸也さんが悪いわけじゃないってわかってます。でも、怒りのやり場がなくて……」



「俺は傷つけた沢山の奴、全員に償うことなんてできねぇ。俺の命は一つしかないからな。その代わり、亜美のことだけは守り抜く。俺の勝手な自己満足かもしれねぇけど、俺は亜美を守り抜くって決めたんだ」


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