アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
伸也さんの言葉に涙が出た。
祐の深い悲しみに心が潰れそうだった。
祐は伸也さんにしがみ付き、声をあげて泣いた。
そして、「許してください」と頭を下げた。
「こたぁを裏切ってた罰として、仲間になれ。これからは本当の仲間になれ。こたぁ、いいな?」
こたぁはコクリと頷き、祐はまた泣き出した。
「泣きすぎだぞ」
「うるせぇ」
いつものこたぁと祐の会話。
祐が泣き止むと、こたぁと共に部屋を出て行った。
祐の過去。
祐の真実。
自分のことばかり考えていた私は、祐の気持ちに少しも気づけなかった。
みんな、何かを抱えてる。
他人からしたら、そんなことと鼻で笑われてしまうこともあるかもしれない。
でも、私達はいつも必死で、いつも真剣に出口を探している。
それが間違ったやり方だったとしても……