アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
遠回り
2人が出て行った部屋は静まり返って、何だか落ち着かない。
「亜美、平気か?」
「うん」
「俺は沢山の人を傷つけてきた」
「そんなことない」
私の言葉に伸也さんはフッと笑い、頭を撫でてくれる。
「またここで、一緒に暮らすか?」
「いいの?」
「あぁ」
「荷物……祐の家だ」
「買えばいい」
「そうだね」
「風呂入って来い。上がったら傷の手当だ」
「はーい」
私はシャワーを浴びて、伸也さんのジャージを着た。