アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
「亜美、ボーっとしてるなら寝るぞ」
私が見たいと言ってテレビを付けたのに、一時間近く考え事をして、内容はまったく頭に入ってない。
「うん。寝る」
私は寝室に行き、いつものポジションに横になった。
「亜美。もうどこにも行くなよ」
ベッドの端に腰掛けた伸也さんは、私に背を向けたままそう言った。
「どこにも行かない。死ぬまで側にいる」
私の言葉に伸也さんは振り向き、私に優しく口付けた。
懐かしい伸也さんのキス。
伸也さんの香り。
伸也さんの鼓動。
伸也さんの体温。
何もかもが愛おしかった。
このとき始めて、伸也さんに抱かれたいと思った。
伸也さんのすべてが欲しかった。