アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
「伸也さん」
「どうした?」
「私、幸せ」
伸也さんは驚いた顔をして私を見つめた。
「幸せなんて思ってても言わなそうな奴に言われると怖い」
「はぁ?何それ。じゃあ、もう一生言わないし」
「あぁ。いいぞ」
「朝からムカつくんだけど」
「そんなこと言わなくても、俺は亜美を幸せにする。顔見てれば亜美が幸せかどうかわかるしな」
「……ズルい」
そんな素敵な言葉……言われたら何も言えなくなる。
私は伸也さんにどれほどの言葉と愛をもらっただろう。
私は伸也さんにどれほどの言葉と愛をあげれているのだろう。
伸也さんの横顔を見ながら、ふとそんなことを思っていた。