アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
レッテルを貼られ、家にさえ居場所のなくなった“不良”と呼ばれる人間達は眠らない街へと集まってくる。
そこには同じような仲間がいるから。
そこにいる時だけは、お互いを理解しあえるから、自分が存在していいものだと実感できる。
そして、街にいる大人達は私たちより弱い。
唯一、私が存在できる場所、それがあの街だった。
だから、夜のネオンの虜になるのだろう。
街に足を踏み入れただけで興奮してしまうのだろう。
もし、街に足を踏み入れてしまう前にたまさんに出会っていたら……
そう考えたけど、たまさんに出会っていても私は街に足を踏み入れたはず。
街を知ったからこそ、たまさんの言っている意味がなんとなくわかるんだ。