アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
視線
伸也さんに2度目に会った次の日、私は学校へ行った。
2週間ぶりの学校。
玄関で靴を履き替えているだけで、周りの視線を痛いくらいに感じる。
「亜美ちゃん、来たんだ。おはよう」
「おはよう」
猛は夜遅くまで遊んでるはずなのに、学校には必ず来ている。
階段を上り、教室へと向かう。
気のせいか、すれ違うたびに沢山の人が私を見ているような気がする。
教室のドアを開けたときも、入学式の日のように視線が私に集まった。
席に座ると、麻菜ちゃんが近づいてきた。
「久しぶりだね」
「うん」
「先輩と別れたんだって?」
「うん」
恭の話はしたくない。