アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女


たまさんと一緒にいると、時があまりにも穏やかで一日なんてあっという間に過ぎてしまう。



私は伸也さんに迎えの連絡を入れて、たまさんとお茶を飲みながら車を待った。



「また来るね」



「いつでも大歓迎よ」



「次来る時は、もっといい女になってるから」



「それは楽しみね」



たまさんの笑顔が私に強さをくれたみたい。



プップゥー



外からクラクションが聞こえた。



「お迎えじゃない?」



「うん。今日はありがとう」



私は鞄を持ち、玄関へと向かった。



たまさんとの別れが何だか寂しい。



「今度は彼も一緒に来て頂戴」



「伸也さん?」



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