アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女


「えぇ。亜美ちゃんの大切な人と、私もお話してみたくなっちゃった」



そう言って、肩を上げる仕草が可愛らしい。



「うん。次は伸也さんと一緒に来る」



「それじゃあ、気をつけてね」



私はたまさんに手を振って、伸也さんの車へと小走りした。



白のセダンは門の前に止まり、そのすぐ横にタバコを咥えた伸也さんが立っている。



「ただいま」



私は思い切り伸也さんに抱きついた。



「どうした?」



私の体を離そうとする伸也さんに抵抗し、腰に回した手の力を強める。



「帰らないのか?」



「帰る」



「じゃあ、続きは家に帰ってからだ」



「うん」



< 391 / 688 >

この作品をシェア

pagetop