アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
「何が不満だ?」
「不満?」
「俺に嫌がらせしてるんだろ?」
「違う」
「じゃあ何だ?」
「わかんないってば!」
言わないんだから、理解されないのは当たり前。
でも、寂しいって言えないから、こうやって態度で表してるつもりなのに、わかってくれない伸也さんにイライラする。
「何をそんなにイラついてる?」
「別にイラついてない」
「そうか。じゃあ好きにしろ」
伸也さんは冷たい声でそう言うと私を引き剥がし、寝室へと入ってしまった。