アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
私は泣きながら、いつの間にか眠りについたらしい。
目を開けると、ソファーに横になり毛布がかけられている。
「伸也さん?」
「起きたか。機嫌は治ったのか?」
私に向けられた優しい声と、頭を撫でる温かい温もりに涙が出た。
「寂しいなら寂しいって言え」
「えっ?」
「寂しいって俺にくらい言えるようになれ」
「知ってたの?」
「あぁ」
「じゃあ、なんで?」
「自分で言わなきゃ意味がないだろ?」
「そんなこと言えない」
「言えるようになれ」
「無理」
また伸也さんはため息を吐く。