アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
「亜美、おはよう!今日は早いね。ん?朝から化粧確認して今日は何かあるの?」
いつものように可愛い声でカズが話しかけてくる。
「目になんか入っただけ」
「そっか。取れた?」
「うん。もう大丈夫」
カズのこの笑顔を見ると、小さなことでも嘘をついてしまったことに自己嫌悪に陥る。
こたぁの話を聞きながら教室に入ると、祐が怖い顔をして私のほうへ歩いてきた。
「祐君、おはよう」
カズのスマイルも無視して、私を睨みつける祐。
「お、おはよう」
その迫力にどもってしまう私。
「何があった?」
「えっ?」
カズが不思議そうに首をかしげる。