アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女


隣の席の祐とは気まずいまま、やっと授業が終わった。



伸びをして立ち上がると、カズが助けを求めるようにこっちを見てる。



「亜美は帰れるんだもんね」



「そっか。カズは今日も居残りか」



「そうなのぉぉ!一日くらいサボっていいと思わない?」



私に抱きつくカズは後ろから首根っこを掴まれた。



「甘えたこと言ってんな。行くぞ」



「こたぁの鬼ぃ〜」



カズの悲鳴は姿が見えなくなっても聞こえている。


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