アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女


車の扉が開けられ、抵抗していた力を緩めた。



もう、私が抵抗したって無駄だ。



そう諦めたとき、グイッと体を引っ張られた。



「返してもらうぞ」



そう後ろから囁いたのは、私の大好きな声だった。



「何だよ、てめぇ!」



サングラスの男が、私の手を掴みなおす。



「誰の女に手出してんだ?」



いつになく低い伸也さんの声。


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