アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女


「知らねぇーよ」



「汚い手を離せ」



怒鳴るわけでも、叫ぶわけでもない、伸也さんの声は私でさえ怖い。



「てめぇ〜後悔するぞ!」



男がそう言い終わると、ボコッという音共に手が離された。



「痛ってぇ」



「この野郎!」



他の男達も、サングラスの男が殴られたのを見て、伸也さんに向かって拳を振り上げる。



こんなに大勢じゃ……



「亜美、離れるなよ」



私を背中に隠し、そう告げると伸也さんはボキボキと手を鳴らし、男達のほうを見た。



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