アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
「お前学校いってんのか?」
「はい」
「じゃあいつ寝てるんだ?」
「寝てません」
「はぁ?」
「眠くならないんで」
正確には、眠たいけれど眠りたくない。
「どういうことだ?」
「眠たくならないんで、寝てません」
「いつから?」
「2ヶ月くらい前から」
「だからか」
最後の言葉の意味がわからない。
だからなんなのだろう?
でも、料理が運ばれてきてから、話は一時中断となった。
「それだけで足りるのか?」
「はい」
「晩飯食ってきたのか?」
「はい」
「ハンバーグか?」
「クスッ。違いますよ」
「お袋の手料理か」
「それも違います。」
「お前の親、作らないのか?」
「恋人の分は作りますよ。私の分はテーブルに千円札です」
「じゃあいつも一人か?」
「はい」