アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
「亜美、こっちにおいで」
優しい声とは裏腹に、緊張しているような伸也さんの顔。
怖いけど、拒むことは出来ない。
拒めば、また同じことの繰り返しになるのはわかっている。
「話聞いてもらえるか?」
「うん」
「亜美の機嫌が悪くなった理由は、正直わからない。嫌がらせで言ったのか、無意識なのかはわかんねーけど、俺はお前の口から祐の名前が出てきただけで気分が悪くなって、あんな態度とっちまった」
「祐?」
「あぁ。嫉妬だ。祐に嫉妬した」
そうだ。
私は祐と話があるから溜まり場に行くと、伸也さんに言っていたんだった。