アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女

「明日の夜に通夜をやって、次の日告別式です。身内だけでやるつもりなので、今お別れしてやってください」






男はそう言うと白い布を取り、部屋を出て行った。






伸也さんはろうそくに火をつけて、お線香を上げている。






たまさん綺麗だね。




いつもは化粧なんてしてないじゃない。





何で今日は口紅なんてつけてるの?






「亜美、来い」






伸也さんに手を引かれ、たまさんの側に寄った。





「たまさん…何があったの?」





声が振るえる。





だって、抱きついたたまさんの体は驚くくらいに冷たいんだもん。


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