アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
帰りの車の中は伸也さんの煙草が吐き出されては消え…静かな空間だった。
何かを考えようとすれば、たまさんの笑顔が浮かんできて、涙が溢れる。
「亜美、着いたぞ」
そんなことの繰り返しをしているうちに、マンションの駐車場についていた。
ふら付く体を必死に保ちながらエレベーターに乗る。
伸也さんは何も言わずに少し前を歩く。
部屋に入ってからも何も言ってこない。
そんな伸也さんの態度がありがたかった。
色々と話しかけられても、今は何を答えていいのかわからない。