アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女

帰りの車の中は伸也さんの煙草が吐き出されては消え…静かな空間だった。





何かを考えようとすれば、たまさんの笑顔が浮かんできて、涙が溢れる。






「亜美、着いたぞ」






そんなことの繰り返しをしているうちに、マンションの駐車場についていた。





ふら付く体を必死に保ちながらエレベーターに乗る。






伸也さんは何も言わずに少し前を歩く。





部屋に入ってからも何も言ってこない。





そんな伸也さんの態度がありがたかった。





色々と話しかけられても、今は何を答えていいのかわからない。


< 494 / 688 >

この作品をシェア

pagetop