アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
守る
「よし、行くか」
ハンバーグセットを食べ終えた伸也さんはタバコを一本吸った後、伝票を手にして席を立った。
「私、払います」
「金あるのか?」
「沢山あります」
「俺も沢山あるんだわ。だから、今日はいい」
「はい。ごちそうさまです」
毎日、夕食の千円札以外にもテーブルの上にはお小遣いが乗せられている。
メモには“パパからのお小遣い”と書かれていた。
だから、私は一日一万千円をもらっている。
使うことは殆どなくて、お金は貯まる一方。
「今日は歩きだからな」
「はい」
「車がいいなら呼ぶけど、時間かかるぞ」
「歩きでいいです」
「そうか」