アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
「俺達はシンが刺されて始めて、奴らの魂胆だってことに気づいたんだ。こたぁに連絡して確認を取るべきだったと…」
遼ちんは頭を抱え肩を震わせていた。
「遼ちん…自分を責めないで。伸也さんは誰のせいにされるのも嫌がると思う。目を覚まして俺のせいだって言うと思う」
「亜美ちゃん…強くなったね」
「この街を仕切る最強男の彼女だもん」
顔をクシャクシャにして笑う遼ちんの頬には沢山の涙が流れていた。
「俺も目覚めたんだ。伸也さんが起きない筈はない」
こたぁが私と遼ちんの肩に手を当てて静かにそう言った。