アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女


それから、私達は元の生活に戻ることにした。





きっと伸也さんならそうするだろうから。






学校に行って、溜まり場に行って、みんなで笑い合う。





そんな生活を送りながら、伸也さんを待つことにした。







私が笑うことは伸也さんが望んでいたことだから。







でも、ふと不安になる。







このまま伸也さんが帰ってこなかったら…と思うと不安に押しつぶされそうで涙が止まらない。






今は、涙を拭ってくれる手はないのに…




抱きしめてくれるあたたかな温もりはないのに…




強くならなきゃいけないのに…





伸也さんのいない未来を考えると強くなんてなれなかった。






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