アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
「今日は一つだけ言いたくて…私のことは許せなくてもいい。でも、生きようとして。ママだって大切な人が生きてくれなきゃ悲しいでしょ?私以外にもママの事を大切に思っている人は沢山いる。だから、生きて。お願いします」
私は深々と頭を下げた。
最後まで何も言ってくれないママ。
でも、いいんだ。
一度でわかってもらおうなんて思っていない。
「また来るから。来るなって言われてもくるから」
そう言って病室を出ようとした。
「カボチャプリン懐かしいわね。また買って来て」
小さな声でそう聞こえた。
「わかった」
涙が酷くて震える声を懸命に振り絞ったけど、ママに聞こえただろうか。