アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
「ずっと、ずっとこうしてもらいたくて…伸也さんに生きて欲しくて…目を覚ますの待ってた」
「悪かった」
「謝って欲しいわけじゃない」
今まで我慢していた、不安や寂しさ、恐怖…すべてが同時に出てしまう。
止められない…
「あぁ、わかってる。もう、こんな思いは二度とさせない。退院してから言うつもりだったけど…」
伸也さんが私から目をそらし、話すのをやめてしまった。
「何?」
「こっち見るな。言うから向こう見とけ」
「うん」
私は伸也さんのベッドから少し離れ、背中を向けて横になってしまった伸也さんの言葉を待った。