アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女


「ずっと、ずっとこうしてもらいたくて…伸也さんに生きて欲しくて…目を覚ますの待ってた」






「悪かった」





「謝って欲しいわけじゃない」







今まで我慢していた、不安や寂しさ、恐怖…すべてが同時に出てしまう。






止められない…







「あぁ、わかってる。もう、こんな思いは二度とさせない。退院してから言うつもりだったけど…」








伸也さんが私から目をそらし、話すのをやめてしまった。







「何?」





「こっち見るな。言うから向こう見とけ」






「うん」





私は伸也さんのベッドから少し離れ、背中を向けて横になってしまった伸也さんの言葉を待った。




< 582 / 688 >

この作品をシェア

pagetop