アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女

「ほらっ、行くぞ」




「あっ、待ってぇ〜」






あのプロポーズは夢だったみたいに、いつもと変わらない伸也さん。




まぁ〜いいんだけど、ちょっとは甘い雰囲気になったりするのかなって期待した私が馬鹿だった。








病院を出ると伸也さんの愛車が止まっている。






久しぶりに見る白のセダン。





車のボンネットに体を寄りかけタバコを吸っている遼ちんが私たちに気がつくとサングラスをはずし手を振った。






「遅かったな。昼くらいかと思ってたよ」





「悪い。亜美がモタモタしてっから」





「えっ?私?」





「そうだよ。鞄に服詰めるのに何時間かかってんだよ」



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