アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女

すると、ピンクの照明に照らされながら階段からスーツを着た伸也さんが降りてくる。




なんでスーツ…





伸也さんは私の前に来ると片方の膝を立てて私の足元に跪いた。






「亜美…結婚してください」





そう言って手を伸ばす伸也さんが持っていたものは…ダイヤの指輪。





静まり返った店内でみんなが私の返事を待っている。





やっとわかった。





ピンクのバラにピンクの照明。





これは私の好きな色。




本当は好きなわけじゃないんだけど、伸也さんが勘違いしている私の好きな色。





プロポーズの演出だった。




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