アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
学校では進学や進路の話になり、周りは少し寂しくなるくらい真面目な顔つきになっていった。
「亜美は進路決まってていいよなぁ〜」
猛が進路希望用紙と睨めっこしながら、話しかけてきた。
「私、何も決めてないよ」
「決まってるだろーが。伸也さんの奥さんだろ?別に進学する必要も就職する必要もないだろうが」
そういうもんなのかな?
「こたぁは自動車専門学校だろ。カズは保育士。裕はスポーツ推薦で大学進学。俺は頭悪いし、運動できないし、やりたいこともねぇ」
珍しく猛が落ち込んでいる。
「私も同じだよ。伸也さんと結婚するからって何もしなっていうのは違うと思うし…将来のことなんて考えたことなかった」
「そうか…なんか落ち込むよな。自分だけ取り残されたようで…」