アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
友情
受験が終わった日、伸也さんに別れを告げられた日、その次の日に伸也さんは仕事をやめた。
そして、どこから流れたのかわからない、伸也さんのお見合い話で街は揺れ動いていた。
私は溜まり場へ顔を出し、みんなとの最後の時間を楽しんだ。
「亜美、話があるんだけど…部屋に来て」
「いいけど…」
一年以上溜まり場に来なかったカズ。
学校でも殆ど話しかけては来なかった。
カズの存在を忘れていたわけではないけど、私は自分のことで精一杯でカズを気にかけてあげることは出来ていなかった。
こたぁがいるから大丈夫。
そう勝手に思い込んでいた。