アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
「カズ、もうやめろ。お前に亜美の気持ちがわかるのか?」
裕が私を庇うようにカズと私の間に立った。
「わからないよ。亜美のことなんて何にもわからない!!」
カズはそう叫び、泣き崩れた。
「亜美は何も話してくれないじゃない。私には何も教えてくれない。わかるはずなんてないじゃない」
嗚咽をあげて泣きじゃくるカズをこたぁは後ろから抱きしめた。
「亜美、悪いな。コイツは亜美に何でも話して欲しかっただけだ。話してくれない亜美に距離を感じて寂しかったんだ。それで、馬鹿だから亜美と距離を置いた。亜美から来てくれる事を待っていたんだ」
こたぁは囁くように優しく私にカズの思いを伝えてくれた。
私は泣いているカズの手をとった。