アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
残りの時間
カズにすべてを話した。
伸也さんの気持ちもママのことも、伸也さんのお父さんのことも…
カズはそれでも身を引くなんて馬鹿だって涙を流しながら怒っていた。
カズだったら、どこまでもすがり付くって…
すべて話し終えたときにはもう既に朝日が部屋中を照らしていた。
「伸也さんが迎えに来るまで寝ようか」
「そうだね」
「残りの時間大切にしなよ」
「うん」
伸也さんと私の時間はもう一ヶ月を切っている。
そう思うと胸の奥が苦しくなる。
「おやすみ」
「おやすみ」
沢山話して、沢山泣いた私達はすぐに眠りの中へと引き込まれていった。