アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
その部屋には、大きなソファがいくつも無造作に置かれていて、大きなテレビやステレオ、ガラクタが散乱していた。
「亜美ちゃん、好きなところに座って」
「うん」
「亜美っていうの?」
「あ、うん」
金髪の女の子がベッタリと、私の隣に座って顔を覗き込んでくる。
「カズだからぁ。仲良くしてね」
「うん」
「亜美は伸也さんの彼女?」
「違うよ」
「えぇ!?じゃあ女?」
彼女と女の違いがわからない。
「カズ、亜美ちゃんはどっちでもない」
「じゃあ何さぁ?」
「お前は知らなくていい」