アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女

駐車場に車を止め、入り口へと歩く。




「亜美」



「ん?」




後ろから呼び止められ振り向くと、伸也さんは2メートルくらい離れた所にいる。




「俺、コンビニ寄ってから行く」




その言葉を聞いて私は走った。




伸也さんの胸めがけて飛び込んだ。





「伸也さん、ありがとう」




「亜美…」



「私、伸也さんに出会えてよかった。伸也さんに出会うために傷を負ったならそのことすら幸せに思える。強く生きるから。いつか伸也さんに会えたときには飛び切り良い女になってるから」




「俺のほうこそありがとう。側にいてくれてありがとう。愛する事を教えてくれてありがとう」




震える伸也さんの声を聞きながら、私は伸也さんに口付けをして、もう一度強く抱きついた。





そして、伸也さんの顔を見ることはなくshotに向かって走った。

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