アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女

「隠していて申し訳ありません。新垣さんを父から紹介されたときに僕は知っていたんです。でも、お嬢さんを驚かせたくて、僕のことは伏せていただいていたんです」





2年ぶりに会う伸也さんは伸也さんとは思えない喋り方。




「それで、私にお見合い写真やプロフィールもなしでもいいか聞いたのか」




パパが伸也さんと話をしているなんて夢でも見ているんじゃないか。




「僕たちはお嬢さんが中学生のときに出会い、交際していました。2年前まで」




どっちの両親も驚いて声が出ない。




「僕は父の会社を継ぐために、亜美…いえっお嬢さんと別れました。でも、心の中ではずっと引きずっていました。僕に亜美さんを下さい」




テーブルにおでこを付けて頭を下げる伸也さん。



見慣れているはずのスーツ姿に違和感を感じる。



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