アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
「どこ行くの?」
「俺の部屋」
「そう」
「お前だけだぞ」
「何が?」
「俺にあんな口利くの」
「なんで?ダメ?」
「別にいいけど」
エレベーターを降りるとさっきとは雰囲気がまるで違う。
さっきの階は扉がいくつもあったけど、ここの階は扉が一つしかない。
それに黒いキラキラした石が、廊下中に敷き詰められている。
「この石何?」
「大理石」
「へぇ」
大理石?なんて聞いたこともないし、そもそも、石の名前なんて1つも知らない。