アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女


「どこ行くの?」



「俺の部屋」



「そう」



「お前だけだぞ」



「何が?」



「俺にあんな口利くの」



「なんで?ダメ?」



「別にいいけど」




エレベーターを降りるとさっきとは雰囲気がまるで違う。



さっきの階は扉がいくつもあったけど、ここの階は扉が一つしかない。



それに黒いキラキラした石が、廊下中に敷き詰められている。



「この石何?」



「大理石」



「へぇ」



大理石?なんて聞いたこともないし、そもそも、石の名前なんて1つも知らない。


< 71 / 688 >

この作品をシェア

pagetop