アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
部屋の中もさっきの部屋とは違って、3倍くらいの大きさがある。
「座ってろ」
「うん」
綺麗に片付けられた部屋はどこか寂しい気がする。
「なんか飲むか?」
「牛乳」
「はっ?ねぇよ、そんなもん」
「ならジュース」
「コーラでいいか?」
「炭酸飲めない」
ため息を吐いて、伸也さんはテーブルにリンゴジュースを置いてくれた。
「牛乳好きなのか?」
「わかんない。小さい頃から飲んでるから癖?」
私のママは添加物の入ってるようなものは、一切口にさせてくれなかった。
飲み物も牛乳かお茶か、ママの手作りジュースだけ。
それに舌が慣れてしまって、市販のジュースは味が薄く感じる。
炭酸は飲んだことがない。