アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
あの日、伸也さんが私にしてくれたように、私も真似して言葉を掛けた。
私はこんな時にどうすればいいのかわからないから、真似することしか出来なかった。
「亜美」
「ん?」
「みんな色々抱えてる」
「うん」
「でも生きてる」
「うん」
「だから仲間がいる」
「仲間?」
「辛いときでも一緒に笑える仲間だ」
「私にはいない」
「いるだろうが。俺も、猛もこたぁもカズも仲間だ」
「わかった」
仲間と友達の違いはまだ良くわからないけど、私の居場所が見つかった気がする。
私はここに居ていい。
伸也さんが、そう言ってくれた気がした。