アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
カズの部屋は、溜まり場と同じフロアの一番奥の部屋だった。
溜まり場よりは少し狭いけど、一人で住むには充分な広さ。
「すごい部屋だね」
「可愛いでしょ?」
「やりすぎだけど」
「そんなことないよ!」
嬉しそうにカズは、部屋の中に入っていった。
私もその後に続いたけど……それにしても、すごい。
玄関に入った途端、ピンク一色に染められている。
家具やカーテン、絨毯といったすべてのものがピンク色で、白い壁には赤いバラの花が描かれている。
シャンデリア風の照明にレースが沢山ついたクッション。
どこに目をやっても、目がチカチカする。
「カズは可愛いものや綺麗なものが大好きなの。だから、綺麗な人も可愛い人も大好き」
「そうなんだ……」
それにしたってやりすぎだと思う。
物事には限度ってものがあるし。
「伸也さんもこたぁも綺麗だから大好きだし、亜美も可愛いから大好きだよ」
「私が可愛い?」
「うん。ちょっと痩せすぎだけど、もう少し太ったら超可愛い!」
その限度を超えすぎると、異常なんて言われる。
カズのやっていることは異常の域に達してる気が……