アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
私は眠れないから、ベッドなんて使わないのに。
カズが眠ったのを確認して、溜まり場へ向かった。
「亜美ちゃん。ビックリした」
溜まり場は電気が消えていたから、誰もいないんだろうと思って入ると、猛が横になっていた。
「こっちこそビックリしたけど。電気もつけないで、寝てた?」
「寝ようとしてた」
「それなら、帰るわ。邪魔してごめん」
「いいよ。いいよ。眠れるかわからないし。何か飲む?」
「いらない」
「そっか」
真っ暗な部屋にいるのは嫌いだから、電気をつけようとすると猛に腕を掴まれた。
その瞬間、体が拒否反応を示す。
「亜美ちゃん、このままで聞いて」